意思表示というのは、とても大切だけど、それ故に難しいものです。
「これだけは伝えたい」と思う反面、
「果たしてこれを伝えて良いのだろうか」と
常に頭の中で、二律背反が回転します。


ところで、話は変わりますが、
漫画とかで悪の組織に襲われたヒロインが「キャー! 助けてー!」と
誰かの助力を求めるために声を挙げる行為、あれは凄いことだとおれは思います。
もし自分が同じ場面に出くわしたとき、襲われる恐怖だけでなく、
周囲に奇異の目を向けられることに対する恥ずかしさや、
変なプライドなどが邪魔して、
多分、すぐには声を挙られないでしょう。
素直に誰かに助けを求める、それは勇気のいる行動だと思います。
実はヒーローも、それが分かっているから、助けを求める声に、
それが出来る勇気に応えるために、命をかけて戦っている……
とかだったら、格好良くないですか?


おれにも、寒い講堂で講義を受けている途中でも
「暖房を付けてください」と言える勇気があれば、
今頃、鼻水をズルズルいわせることもなかっただろうに……。